海洋島玄武岩(OIB)

海洋島玄武岩
Kilauea volcano, Hawaii

 多くの活火山が分布しているのは、海洋地殻が生産されている中央海嶺と、海洋地殻が沈み込んでいる大陸の周辺地域(例えば日本)である。しかし、ハワイ島やレ・ユニオン島といった海洋島にも活発に活動する火山が存在している。海洋島に出現するのが海洋島玄武岩(Oceanic Island Basaltを略してOIBと呼ぶ)である。OIBは中央海嶺玄武岩(MORB)に比べてカリウムやバリウムを多く含んでいる。化学組成は海洋島によって大きく異なっている。この特徴は、下部マントル(OIBを生成した物質の主成分の存在していた場所)に、化学的な不均一が存在していることを示している。マントルへ沈み込んでいった海洋地殻が、主な不均一の原因であると考えられている。
 写真はハワイ島のキラウエア火山で採取したOIBである。穴はガス(二酸化炭素が主成分)が発泡したときに形成された。このOIBのマグマの生成過程をまとめると、次のようになる。まず、地下約40km辺りからマントルが溶融し始める。その際、カンラン石を多く含んだ玄武岩質マグマが生成され、上昇を開始する。マグマ中のカンラン石は密度が高いので、地下4〜7km付近で沈降してマグマから分離する。残されたマグマは密度が低くなるで、再び上昇を開始する。そして、マグマの一部が地表に到達する。このようなプロセスを経て、キラウエア火山にマグマは出現したのである。

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