アメシストの語源とされているギリシャ神話を紹介しましょう。
ある日、酒の神デュオニュソスは、ふざけて、最初に出合った人間を家来のピューマに襲わせることにしました。運悪く最初に出会ったのがアメシストという名の少女でした。彼女は月の女神アルテミスの所へ行くところでした。少女の危機を知ったアルテミスは、ピューマの牙から彼女を守るために、少女の体を硬い大理石に変えてしまいました。大理石になった少女を見た酒の神デュオニュソスは悪いことをしたと反省し、大理石にブドウ酒をかけてやりました。すると、大理石は紫色の宝石に変化しました。
アメシスト(紫水晶)のグラスでワインを飲むと悪酔いしないと、西洋では信じられています。また、アメシストには酒に強くなる力がある石と言われています。科学的な根拠はありませんが、心理的な影響はあると思います。色がワイン(赤ワイン)と似ているので、アメシストのグラスに注がれたワインの量は実際よりも多いように見えます。無意識のうちに飲む量を制限していることが、悪酔いを避けてくれる理由ではないでしょうか。 |