 魅惑的なの紫色をしている紫水晶は、宝石名ではアメシスト（アメジストは発音間違い）と呼ばれています。名前はギリシャ神話に登場する少女の名前に因んでいます。日本では紫色は一番高貴な色とされていたため、紫水晶を所有することが出来たのは位の高い人だけでした。現在では紫水晶は２月の誕生石に指定されており、比較的安値で購入できる人気の宝石の１つです。国内では人気のある紫水晶ですが、日本へ輸出しているブラジルでは人気がありません。紫色に対する人の感情の歴史の違いのためでしょう。
紫水晶の紫色の原因は、水晶を構成するケイ素の一部が鉄に入れ代わり、鉄を取り囲む酸素の１つの電子が天然放射線によって損失していることだと考えられています。このような電子分布状態（カラーセンターといいます）になった水晶を光が通過する際、光の一部（黄緑色の光）が水晶に吸収されるようになり、水晶に吸収されずに通過できる光の色は紫に変化します。紫水晶を加熱すると紫色から黄色へ変色しますが、カラーセンターが失われるからです。また、紫水晶に日光や蛍光灯を長時間当てると色があせるのも、紫外線の影響でカラーセンターが無くなるからです。 |