方解石(ほうかいせき)は石灰岩や大理石や鍾乳石を構成している鉱物です。方解石は一定の形に割れやすい性質{劈開(へきかい)という}が強く、つぶれたマッチ箱のような形に割れます。また、一本の直線上に方解石を置くと、左上の写真のように直線は二重にみえます。この様な性質を複屈折といいます。いろいろな鉱物でも複屈折は発生しますが、方解石のように肉眼で確認できるほどの複屈折は希です。右上の方解石は2つの結晶が1つの結晶面を共有しいる双晶です。形が昆虫の蝶に似ていることから、蝶型双晶と呼ばれています。
方解石が示す結晶の外形は、鉱物で最も変化に富んでおり、板状、柱状、菱面状、針状、犬牙状、釘頭状などの形態を示します。2段目の展示品は犬牙状方解石と呼ばれており、結晶の先が尖っていて、指で触ると牙のようにチクチクします。は3段目の標本は柱状の結晶です。水晶のように見えますが、上面方向から見ると、水晶ではないことが分かります。水晶の場合、6つの三角形の面が観察できます。しかし、この標本では、3つの五角形です。 |