頑火輝石(がんかせき)はマグネシウムを主成分とする斜方晶系の輝石(斜方輝石)です。マグネシウムの一部(最大で半分)は鉄と置き換わっています。色彩は灰緑色、灰色、黄褐色などです。鉄が増えると、色彩は黒色へと変わります。比重も変化し、大きく(3.21→3.58)なります。
頑火輝石は高温に強い鉱物です。高温炉の耐火材として利用されています。約1400℃に加熱しないと、溶け始めません。つまり、頑(かたく)なに、火に対抗します。これが鉱物名の由来です。英名
Enstatite も、ギリシャ語 enstates (対抗するの意)に因んでいます。英名『エンスタタイト』も、よく使われるので、覚えておいてください。
左上は、宝石質の頑火輝石です。この様な結晶はあまり存在しません。右上は、頑火輝石の針状結晶が放射状に集合した標本です。菊寿石(きくじゅせき)と呼ばれ、観賞石の愛好家に重宝されています。 |