蛍石入り水晶は蛍石の結晶を含有する水晶です。この水晶の内部には、正8面体の青い蛍石の結晶(写真中の下方)が3個ほど存在します。2005年のツーソン・ショーで初めて紹介され、大きな話題となりました。マダガスカルの一つの晶洞でのみ産出する珍品です。全部で500キロほど採集されましたが、水晶の形を示すものは2割に過ぎません。研磨された標本には、形状が悪いものを水晶の形に整形したものが含まれているそうです。よって、非研磨の標本を入手しました。
蛍石入り水晶はどの様にして形成されたのでしょうか。水晶の内部をよく観察すると、一つの平面上に蛍石が分布しています。蛍石の結晶が水晶の表面に付着し、水晶が再成長して、この水晶が誕生したと考えられます。ただ、蛍石の結晶が誕生した場所は不明です。水晶の表面かもしれません。あるいは、別の場所で形成されたものが、熱水で流されてきたのかもしれません。 |