鉄のバラの正体は赤鉄鉱(Fe2O3)である。スイスのアルプス産のものが有名であるが、この標本はブラジルのミナス・ジェライス州のオール・プレートで採れたものである。赤鉄鉱が火山ガスから直接結晶化した時に、薄板状に形成した結晶が花状に集合して、鉄のバラは誕生したと考えられている。この様にして形成した赤鉄鉱の量は少ない。そのため、鉄のバラは鉄資源としては利用されてない。鉄資源として利用されているのは、海水中に溶けていた鉄が酸化されて形成した赤鉄鉱である。
赤鉄鉱は宝石(宝石名:ヘマタイト)として用いられることもある。光輝が強い黒色をしているので、黒ダイヤとも呼ばれている。 |