つぎに、条線ができる理由を説明します。水晶が太く成長スピードに比べて、水晶が長く成長するスピードが速すぎる場合、柱面の成長に遅れが生じ、柱面の途中に錐面が微妙に出現し、条線が現れます。これが条線ができる仕組みです。では、どの様な条件の下で水晶が成長すると、条線が現れるのでしょうか。合成水晶の製造実験からヒントを得ることができます。普通の合成水晶には条線は存在しません。しかし、合成水晶の成長を促進するために使用する薬品(鉱化剤といいます。水に溶ける二酸化ケイ素の量を増やします。)を変えると、合成水晶にも条線が現れます。通常、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが鉱化剤として使用されています。鉱化剤を塩化ナトリウム(食塩の主成分です。)へ変えると、通常の10倍以上も細長い水晶が生成し、その柱面には条線が形成されていることが確かめられています。この実験結果より、塩化ナトリウムの働きによって、レムリアンシードの条線は創り出されたと考えることができます。塩化ナトリウムは多くの場所で存在する物質です。水晶の原料を運んでくる熱水(熱い地下水)にも、殆どの場合、含まれています。多くの天然の水晶で条線が存在するのは、そのためです。 |