マラカイトは美しい緑色の柔らかい鉱物です。名称はギリシャ語
Malache (「ぜにあおい」という植物)に由来します。縞模様が孔雀の羽の模様に似ていることから、我が国では孔雀石とも呼ばれています。発色は銅によるものです。粉末にしても緑色を保っているので、彫刻や顔料の材料として古くから利用されています。キプロス島で採れたものを、クレオパトラがアイシャドウに使っていました。高松塚古墳の壁画には、緑色の岩絵の具として使用されています。
マラカイト(孔雀石)は銅鉱山の表層部に産出する二次的な鉱物です。銅の主要鉱石である黄銅鉱(CuFeS2)が水に溶け、水に溶けている二酸化炭素と反応して生成します。日本やウラル地方でも採れていましたが、現在の主要な産地はコンゴです。秋田県の荒川鉱山で採取されたものの販売を、宮沢賢治は検討していました。 |