中央海嶺玄武岩(MORB)

インド洋で回収された中央海嶺玄武岩

Rodrigues Triple Junction, Indian Ocean

画像提供:海洋研究開発機構

 大西洋及びインド洋の中央部と、そして東太平洋地域に渡って連続した長大な海底山脈(中央海嶺)が、海底に存在する。中央海嶺は新しい海洋底が形成され続けている海底火山群である。中央海嶺で形成される玄武岩質の火成岩が、中央海嶺玄武岩(Mid Ocean Ridge Basaltを略して、MORBと呼ばれる)である。MORBの噴出量は地球全体の火山活動による溶岩の生成量の70%以上にも及ぶ。MORBマグマは、海洋プレートの移動を補うために上部マントル物質が上昇して、深さ約50km辺りから融解し初めて生成されたマグマである。MORBは産地によらず比較的一様な化学組成をもつ。この特徴は、上部マントル(MORBマグマの生成物質の存在した場所)がマントル対流によって比較的均一に混ざっていることを示していると考えられている。
 写真はインド洋の海底4300mから日本の調査船白鳳丸によって回収されたMORBの一部です。全形は枕のような形をしていました。上部を占める黒い部分はマグマが海水に触れることによって急冷されてできたガラスです。なお、この岩石は所有していませんが、代表的なマントル起源の岩石なので紹介しました。

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