玄武岩マグマがマントルから上昇する途中に、深部の岩を地表に運ぶことがある。運ばれてきた岩は捕獲岩と呼ばれている。上の写真はカンラン岩を捕獲岩として含んでいる玄武岩である。カンラン岩はカンラン石と輝石を主要構成鉱物とする岩石であり、マントルを構成する主要な岩石である。地球から地殻を取り去った後に地表温度を下げれば、地球はオリーブ色の惑星になる。カンラン岩は地球の内部構造や形成進化を知る重要な情報となっている。誕生直後の地球の表面はドロドロに溶けていたと考えられているが、マントルを構成しているカンラン岩は、その痕跡であると主張する科学者もいる。
写真中のカンラン石は「サン・カルロスのオリビン」と呼ばれている。市場のカンラン石(宝石名ペリドット)のほとんどが、ここで採れたものである。カンラン石中の黒い部分は輝石(単斜輝石)である。 |