カンラン岩

玄武岩に捕獲されたカンラン岩
カンラン岩
Peridot, Arizona, U.S.A.

 玄武岩マグマがマントルから上昇する途中に、深部の岩を地表に運ぶことがある。運ばれてきた岩は捕獲岩と呼ばれている。上の写真はカンラン岩を捕獲岩として含んでいる玄武岩である。カンラン岩はカンラン石と輝石を主要構成鉱物とする岩石であり、マントルを構成する主要な岩石である。地球から地殻を取り去った後に地表温度を下げれば、地球はオリーブ色の惑星になる。カンラン岩は地球の内部構造や形成進化を知る重要な情報となっている。誕生直後の地球の表面はドロドロに溶けていたと考えられているが、マントルを構成しているカンラン岩は、その痕跡であると主張する科学者もいる。
 写真中のカンラン石は「サン・カルロスのオリビン」と呼ばれている。市場のカンラン石(宝石名ペリドット)のほとんどが、ここで採れたものである。カンラン石中の黒い部分は輝石(単斜輝石)である。

いろいろなカンラン岩

レールゾライト

ハルツバージャイト

レールゾライト

ハルツバージャイト

Eifel, Germany

Ndonyuo Olnchoro, Kenya

 カンラン岩の分類は構成するカンラン石と輝石(斜方輝石と単斜輝石)の割合によって細分化されている。左側のカンラン岩はレールゾライトと呼ばれている。三つの鉱物をある割合以上含んでおり、存在頻度が高い。始めに紹介した玄武岩に捕獲されたカンラン岩もレールゾライトである。一方、右側のカンラン岩には黒い部分(単斜輝石)が少ないことが分かる。この様な構成をもったものは、ハルツバージャイトと呼ばれる。他には、輝石がほとんど含まれていないダナイトと呼ばれるものもある。

カンラン岩 (母岩付き原石)


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