この標本は黒い膜状の軟マンガン鉱(MnO2)に覆われた水晶です。軟マンガン鉱付着水晶と呼ぶべきでしょうが、黒子水晶というニックネームを考えてみました。黒子とは、歌舞伎などの舞台に登場する黒い衣装を着た人で、役者さんを助けたり、舞台道具を動かす人です。黒子水晶は外観は良くないのですが、膜の下には無色透明の水晶が隠れています。写真の上部を見てください。美しい水晶が顔を覗かせています。レインボーも見えており、軟マンガン鉱を取り除きたくなる人が多いと思います。実際、市場に出回る前に、ほとんどのものが黒い被膜を取り除かれているそうです。そのため、軟マンガン鉱が残っているものは貴重な標本となっています。 |