 ロック・クリスタル(Rock Crystal)とは無色で透明な水晶です。水晶が代表的な鉱物の結晶（クリスタル）であることに因んだ名前のようですが、クリスタルは結晶の意味で使われていません。水晶という意味です。意外なことに、クリスタル(crystal)という単語を英和辞書で調べてみると、(1)水晶、(2)クリスタルガラス、(3)時計の透明カバー、(4)結晶、と和訳が出ており、「水晶」が「結晶」よりも先に記載されています。クリスタルとは水晶を指す言葉なのです。実際、アルプス山脈の水晶はクリスタルと呼ばれています。結晶学は水晶の研究から始まった学問です。ロック・クリスタルは、水晶の愛好家が多いイギリスでは、4月の誕生石の１つに選定されています。
クリスタルはギリシャ語の krustallos （氷の意）に由来しています。ギリシャ人は、水晶は水の結晶と考えていたようです。エスキモーも水晶は氷の中心部が固くなって石になったものと信じていました。水晶が氷でないことを最初に科学的に説明したのはボイル｛気体の体積と圧力の法則（ボイルの法則）の発見者｝です。氷は水に浮きます。もし、水晶が氷ならば、水晶も水に浮かぶはずですが、実際は、水に沈んでしまいます。このことより、ボイルは水晶が氷でないことを証明しました。 |