塩化アンモン石(えんかあんもんせき)は火山の噴気孔や自然発火した石炭の層など、煙が発生している場所で産出する鉱物です。煙に含まれているアンモニアと塩素が反応して形成されました。たいへん軽い(比重:約1.5)鉱物です。水に浸けると溶けてしまいます。名称は古代エジプトの太陽神アメン(ギリシャ語ではアンモン
Ammon)が奉られた神殿の近くで、産出したことに由来します。英語名 Sal Ammoniac
はアメン神の塩という意味です。塩化アンモン石は肥料として重宝されていました。煙から生まれる肥料(塩化アンモン石)に、人々は神の奇跡を感じていたのかもしれません。アラビア系の童話やマンガ(シンドバッドの冒険、サ・ザーン、ハクション大魔王など)には、煙と共に現れる妖精が登場します。煙と神を結びつける思想の誕生に、塩化アンモン石が関係していると、私は思います。 |