先細り水晶

先細り水晶
Mangatobany, Fianarantsoa, Madagascar

 通常、水晶の六角柱部分の太さはほぼ一定です。ところが、この標本のように、一見すると牙のように尖った結晶も存在します。よく写真を見てください。先端(右端)部分に、水晶の結晶の上面が存在していて、六角柱部分が先端(右端)にいくにつれて細くなっています。つまり、上面部分が異常に成長して尖ったのではなく、側面部分が先細りの形状で成長しています。よって、先細り水晶と呼ばれています。
 水晶の結晶が先細りになるのは、鉄が水晶の成長面に沈着して、結晶の成長を妨害しているためだと、言われています。この標本はオレンジ色を呈しており、鉄(酸化鉄)の存在を示しています。また、熱水(水晶の原料となる二酸化ケイ素を運んでくる熱い地下水)の中に形成されているクラスター(水分子の集合体)も、鉄と同様に、先細り水晶を誕生される原因であると、考えられています。

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