テレビ石
化学式:
NaCaB
5
O
6
(OH)
6
・5H
2
O
上方から見た加工品
加工品の側面とその拡大写真
未加工の原石
Boron, Kern Co., California, U.S.A.
テレビ石
とは、
ウレックス石
(ulexite)という鉱物の細長い結晶が
平行連晶
した(平行に接合した)繊維状結晶群です。繊維方向と直角な面を作るように加工すると、左上の写真のように、下方の紙などに描かれている模様や文字などが表面に浮き上がって見えます。テレビ石の加工品は多くの鉱物ショップで販売されています。自分の目で確かめてください。未加工の原石はあまり流通していません。なお、ウレックス石は塩湖が干上がったところに形成される鉱物で、名称は発見者のドイツ人化学者Ulexに因んでいます
なぜ、テレビ石を通すと浮き上がって見えるのかを説明しましょう。まず、下図を見てください。ウレックス石の柱状の結晶内部での光の様子を表しています。左方向から入射した光はA点で全て反射され、青い破線の方向へは進みません。この様な現象は
全反射
と呼ばれており、B点でも全ての光が反射されます。イラストでは2回しか反射していませんが、実際はもっと多く反射しています。全反射を繰り返すことにより、入射した光は損なわれることなく、右方向へ進んでいきます。テレビ石を構成する細い繊維状結晶の一本一本の中でも同じ現象が起こっているため、下面に接した模様や文字がそのまま上面に映し出されます。つまり、浮き上がって見えます。ちなみに
光ファイバー
は同じ原理を利用した工業製品です。
ウレックス石の結晶に入射した光の様子
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テレビ石
(研磨品)
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