ジルコンはジルコニウム(Zr:ジルコンから発見された元素)を主要元素に持つケイ酸塩鉱物です。世界中で産出しますが、宝石となる良質な結晶は、インドやスリランカなど、限られた地域で採取されています。天然のジルコンは、黄色、黄緑色、オレンジ色などの褐色系のものが多く、ジルコンという呼び名はペルシャ語の
zar(金の意)とgon (色の意)に由来します。
ジルコンの色は熱によって変化させることが可能です。加熱処理されたものが宝石として利用されています。無色透明になったジルコンがホワイト・ジルコン、青色になったものがブルー・ジルコン、そして、黄褐色になったものがヒアシンスです。色彩は、加熱時に結晶がさらされる空気の酸素濃度でコントロールすることが出来ます。ホワイト・ジルコンはよく輝くため、ダイヤモンドのイミテーションに使用されていました。しかし、映像が二重に映る性質(複屈折)があるため、ダイヤモンドとの区別は容易です。その後、複屈折のないジルコン(キュービック・ジルコニア)が開発され、だまされた業者もいたそうです。 |