水道タンクを作るために穴を掘った際に、発見された。石質部が金属に含まれる構造をしている石鉄隕石で、隕石の細かい分類では、パラサイトと呼ばれている。石質部は、オリビン(ペリドット)で、金属部は鉄ニッケル合金である。写真のように研磨するとオリーブ色とメタルカラーの美しいコントラストをもつため、装飾品としても人気がある。
オリビンの結晶の形が本来持つ形をしているので、マグマの中でオリビンは結晶したことを示している。また、オリビンの比重(約3.3)と鉄ニッケル合金の比重(約8)には大きな差があり、重力のかかる地球の石には両者が混在する構造は見られない。よって、小規模な天体(小惑星)が加熱溶融されて、パラサイトは形成されたと考えられる。ちなみに、鉄ニッケル合金部のウィドマンシュテッテン構造の分析から、パラサイトを形成した小天体の直径は600km程度(地球の約22分の1)と見積もられている。 |