南極で発見された隕石(南極隕石と呼ばれている)の数は、1995年までの統計で約15000個である。1979年には日本の観測隊が、昭和基地近くの大和山脈で3700個を超える隕石を発見した。上の表と比べると、桁違いの多さであることがわかる。南極隕石には初めて発見された月起源の隕石や、火星からの隕石など、たいへん貴重なものが含まれている。日本隊が集めた南極隕石は東京板橋の国立極地研究所に保管されている。ところで、アメリカも南極での隕石採集を行っている。日米の回収法の違いは国民性の違いを表している。アメリカの観測隊はヘリコプターで隕石を発見して目印を投下しておき、あとで地上隊が回収に向かう。一方、日本の調査隊は雪上車とスノーモービルを使って探しに行っている。よって小さな隕石も見逃さない。日本隊の努力に拍手を送りたい。なお、1989年のクレパス落下事故以来、日本隊の隕石採集は中止されている。余談だが、私は以前、落下した雪上車の助手席に乗っていた人に、極地研の隕石保管室に、入れてもらったことがある。部屋にはクレパスの底に放置された雪上車の写真が飾られていた。 |