隕石の博物館

 このコーナーでは、まず隕石の種類と分類法について解説し、隕石の数を紹介します。展示してある隕石のページへは、一覧表から移動できます。研究成果や詳しい分類法、興味深いエピソードなどは、展示中の隕石の解説にて、紹介しています。この欄の下か、コラム欄の下の「進む」ボタンをクリックしてください。

石質隕石と石鉄隕石と鉄隕石

アエンデ隕石エスケル隕石ギベオン隕石

隕石の分類
 隕石は構成されている物質により、3タイプに分類される。岩石で構成されたものは石質隕石とよばれている。金属(鉄が主成分)で構成されたものは鉄隕石と呼ばれている。また、岩石と金属から構成された隕石は、石鉄隕石と呼ばれている。上の写真のように、これらの隕石の区別は肉眼でも容易である。
 さらに、石質隕石は、コンドリュールと呼ばれる直径1ミリ程度の球状構造を含む隕石(コンドライト)と、含まない隕石(エコンドライト)に分類される。

隕石の種類と数

落下数:落下するのが観測されて、回収された隕石の数。 
発見数:落ちているのが発見された隕石。落下の観測なし。
1992年までの統計。南極で発見されたものは含まない。

隕石の種類 落下数 発見数

合計数
石質隕石 コンドライト

822

1023

1845

エコンドライト

 70

  25

95

石鉄隕石

 11

  61

72

鉄隕石

 49

 689

738

隕石の数
 落下数は、地球に落下してくる隕石の割合を代表していると考えられる。コンドライトが圧倒的に多いのが分かる。発見数に数えられた隕石は地表での風化作用を受けている。鉄隕石の発見数が多いのは、風化に強いためである。エコンドライトの数が少なくなっているのは、地球の岩石と見分けが付きにくいためである。火星や月から飛んできた隕石もエコンドライトのひとつで、高価なのも納得できる。火星からの隕石は1グラムあたり7万円以上する。また、月から飛来した隕石は1グラムあたり110万円もする。これでも、アポロが月から持ち帰った石の1グラムあたりの経費、約1000万円(当時の金額)よりは安い。

コラム「南極隕石」
 南極で発見された隕石(南極隕石と呼ばれている)の数は、1995年までの統計で約15000個である。1979年には日本の観測隊が、昭和基地近くの大和山脈で3700個を超える隕石を発見した。上の表と比べると、桁違いの多さであることがわかる。南極隕石には初めて発見された月起源の隕石や、火星からの隕石など、たいへん貴重なものが含まれている。日本隊が集めた南極隕石は東京板橋の国立極地研究所に保管されている。ところで、アメリカも南極での隕石採集を行っている。日米の回収法の違いは国民性の違いを表している。アメリカの観測隊はヘリコプターで隕石を発見して目印を投下しておき、あとで地上隊が回収に向かう。一方、日本の調査隊は雪上車とスノーモービルを使って探しに行っている。よって小さな隕石も見逃さない。日本隊の努力に拍手を送りたい。なお、1989年のクレパス落下事故以来、日本隊の隕石採集は中止されている。余談だが、私は以前、落下した雪上車の助手席に乗っていた人に、極地研の隕石保管室に、入れてもらったことがある。部屋にはクレパスの底に放置された雪上車の写真が飾られていた。


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