マーチソン隕石

炭素質コンドライト
マーチソン隕石
Murchison, Victoria, Australia

1969年落下、価格(1グラム):¥7000

 マーチソン隕石は、1969年9月28日に、オーストラリアのマーチソンに落下した。回収量は約100kg。回収直後、マーチソン隕石を入れたビニール袋が、隕石から発生したガスで膨れ上がったそうだ。コンドライトには気体に成りやすい成分が多く含まれており、形成時に近い状態を保っていると考えられている。
 ネズミ色の球体はコンドリュール。オレンジ色の斑点は赤錆で、隕石に含まれる鉄ニッケル合金が大気中で酸化した部分。コンドライトには不規則形の鉄ニッケル合金の粒が含まれており、これもコンドライトの特徴のひとつ。
 マーチソン隕石は、アミノ酸などの有機化合物が初めて確認された隕石である。最近の研究によると、見つかったアミノ酸が、現在の地球上の生物を構成しているアミノ酸の始まりと考えても矛盾しないことが判明した。また、誕生時の地球は高温であるので、アミノ酸が形成されにくい環境であったと考えられる。生命の源は、隕石によって地球外から運ばれてきたと考える学者が増えている。

コラム「太陽系科学奇跡の年:1969年」
 マーチソン隕石とアレンデ隕石が地球に落下したのは、1969年である。また、アポロ11号が月面に着陸し、月の石を持ち帰ったのも1969年である。さらに、日本の南極調査隊が南極隕石をはじめて回収したのも、1969年であり、しかも、初めて回収された南極隕石は、たいへん珍しい種類のものであった。このように、1969年は太陽系科学にとって重要な試料が入手できた、奇跡の一年であった。

ほんもの隕石観察セット ●隕石標本 ● 隕石標本2  ● 隕石標本3


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