マーチソン隕石は、1969年9月28日に、オーストラリアのマーチソンに落下した。回収量は約100kg。回収直後、マーチソン隕石を入れたビニール袋が、隕石から発生したガスで膨れ上がったそうだ。コンドライトには気体に成りやすい成分が多く含まれており、形成時に近い状態を保っていると考えられている。
ネズミ色の球体はコンドリュール。オレンジ色の斑点は赤錆で、隕石に含まれる鉄ニッケル合金が大気中で酸化した部分。コンドライトには不規則形の鉄ニッケル合金の粒が含まれており、これもコンドライトの特徴のひとつ。
マーチソン隕石は、アミノ酸などの有機化合物が初めて確認された隕石である。最近の研究によると、見つかったアミノ酸が、現在の地球上の生物を構成しているアミノ酸の始まりと考えても矛盾しないことが判明した。また、誕生時の地球は高温であるので、アミノ酸が形成されにくい環境であったと考えられる。生命の源は、隕石によって地球外から運ばれてきたと考える学者が増えている。 |