霞石(かすみ石)

化学式:NaAlSiO4

霞石(かすみ石)
Imilchil, Morocco

 霞石(かすみいし)はナトリウムを主成分とする準長石です。曹長石(NaAlSi3O8)から二酸化ケイ素を差し引いた化学式(NaAlSiO4)が、霞石の化学組成として、よく利用されています。しかし、多くの場合、ナトリウムの4分の1程度がカリウムと入れ替わっています。よって、下記の様な化学式

(Na,K)AlSiO4、あるいは、Na3KAl4Si4O16
も使用されています。霞石は二酸化ケイ素が不足した火成岩中に、長石の代わりに生成する鉱物です。石英などのシリカ鉱物とは共生しません。霞石はガラスや磁器の原料として活用されています。
 霞石の結晶は、通常、塊状や粒状で産出します。展示品のように六角柱の結晶は希です。色彩は白色、灰色、淡褐色の他、無色透明のものも存在します。多くのものが霞がかかったように曇っているのが鉱物名の由来です。英名 Nephelite もギリシャ語の nephele (雲の意)に因んでいます。参考までに、無色透明の結晶を塩酸に浸しておくと、一部が溶け出し、やはり曇ります。
 霞石の産地は、北欧を中心としたヨーロッパ(グリーンランド、ノルウェー、フィンランド、ドイツ、イタリアなど)や、アメリカやカナダの他、台湾や朝鮮半島にも分布しています。しかし、国内では珍しい鉱物です。島根県浜田市長浜に分布する玄武岩中に、少量、含まれています。


Copyright (C) 1996-2009 iStone. All Rights Reserved.|ホームサイトマップ