準長石

準長石グループに分類される主な鉱物
霞石 白榴石 方ソーダ石 藍方石

 準長石(じゅんちょうせき)とは、文字通り、長石に類似した化学組成を持つ鉱物種のグループ名です。霞石(かすみ石)、白榴石(はくりゅう石)、方ソーダ石(ソーダライト)、藍方石(アウイン)、カンクリナイト、メリライトなどが含まれています。下表を見てください。代表的な準長石である霞石と白榴石の化学組成を、類似する長石と一緒に掲載しています。化学組成はよく似ていますが、準長石の方が二酸化ケイ素(SiO2)の量が少なくなっていることに注目してください。準長石は二酸化ケイ素が乏しい状況で形成されたと考えることは容易でしょう。実際、準長石は二酸化ケイ素が不足した火成岩中に、長石の代わりに含まれています。多くの場合、シリカ鉱物(石英やクリストバル石など)とは共存しません。

準長石と長石の化学組成の比較
準長石 類似する長石 化学組成の差
霞石 NaAlSiO4 曹長石 NaAlSi3O8 2SiO2
白榴石 KAlSi2O6 カリ長石 KAlSi3O8 SiO2

 日本の火成岩の大部分は二酸化ケイ素に富んでいます。そのため、準長石は国内でほとんど存在しません。島根県の浜田市で霞石がわずかに見つかる程度です。しかし、霞石は、ヨーロッパ、特に北欧では、ありふれた鉱物であり、朝鮮半島でも多く産出しています。方ソーダ石も世界各地(カナダ、ブラジル、ナミビア、米国、ノルウェー、ロシアなど)で採取されています。この様に、地球規模で見ると、準長石は重要な造岩鉱物グループの一つです。


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