接合面について、もう少し正確に紹介しましょう。そのためには、グラフを使うと便利です。水晶の場合、結晶面の様子を上のようなグラフで表すことが出来ます。oは原点です。c軸は水晶の中心部を上下方向に貫いています。a1とa2とa3の3本の軸は同一の平面上にあり、互いに120度の角度で交差しています。c軸は、3本の軸(a1とa2とa3)と90度の角度で交わっています。グラフには六角柱の枠が描かれていますが、理想的な水晶の六角柱部分に対応していると考えてください。
では、このグラフを使って、水晶の結晶面の方向を表してみましょう。まず、m面(柱面)ですが、左下のグラフで表している緑色の面で表すことが出来ます。a1軸とは目盛りが1のところで交わっています。他の目盛りでも良さそうですが、一番単純な数字が使われています。a3軸とは-1で交わっています。しかし、a2軸とc軸とは交わりません(数学的には無限大で交わると考えます)。これらの情報から交点の目盛りに関する部分を取り出すと、(1,∞,ー1,∞)と表記することが出来ます。∞は無限大を表す数学の記号です。限りなく大きい数字と考えてください。この表記でも良いのですが、もっと単純な表記にするために、鉱物学では逆数(その数字を分母とし、分子を1とする分数。例えば、2の逆数は2分の1)を使います。すると、∞は0になります(1を限りなく大きな数字で割ると0になります)。ー1のマイナス記号も目障りなので、1の上に移動させ、1と表記します。更に、カンマ記号(,)も省略します。以上のルールを用いると、結晶面と軸との交わりに関する情報は(1010)と表記することができ、m面を(1010)面とも呼ぶことが出来ます。なお、この様な表記方法はミラーという人が考案したので、ミラー記号と呼ばれています。 |