型となった貝はジュラ紀に生息していましたが、貝オパールが誕生したのはもっと後です。貝オパールはどのようにして誕生したかを紹介しましょう。
水中生物が死ぬと、死骸は水の底へ沈み、腐敗しない殻などは砂に埋もれていきます。堆積した砂の層が厚くなると圧力が大きくなり、石となります。この状態で発見されるのが化石です。貝オパールが誕生するには、更に2つのプロセスを経なければなりません。まず、地下水によって化石が溶け出し、貝の形をした空間が形成されます。しかも、長期に渡って崩れないことが必要です。その後、その空間に二酸化ケイ素を含んだ地下水が浸透し、水分の蒸発によって二酸化ケイ素が濃縮し、貝オパールが形成されます。この様な現象が発生する地域は、地震が起きない安定した大陸に位置し、地下水は安定に存在するが地表部は乾燥した地域です。更に、地下水によるオパールの成長には長い時間(厚さが1センチになるのに500万年かかる)が必要なため、長期間、乾燥した地域でなければなりません。この様な厳しい条件を満たす地域は限られており、オーストラリアが唯一の産地となっています。貝オパールは大自然が時間をかけて丁寧に創り出した芸術作品であると言えるでしょう。 |