オパールは二酸化ケイ素(SiO2)に水が加わった(重量で3-10%)シリカ鉱物です。低温で形成されたため、鉱物としては例外的に非結晶質(アモルファス)です。名称は古代インドのサンスクリット語の宝石を意味する「ウパラ」に由来するといわれています。オパールは10月の誕生石のひとつです。
オパールの魅力は虹色の輝きです。その発生原理を簡単に紹介しましょう。虹色に輝くオパールを電子顕微鏡で観察すると、球形の粒子が規則正しく並んでいることが分かります。粒子の大きさは光の波長と同じ程度です。この様な表面を光が反射すると、油の薄い膜が存在する水面で光が反射すると虹色に輝くのと同じ現象(光の干渉現象)が発生します。この様な原理で、オパールの表面は虹色に輝いています。
オパールの有名な産地はメキシコとオーストラリアですが、産状は大きく異なっています。メキシコ産のオパール(左)は溶岩の中に産出します。固化した溶岩に二酸化ケイ素に富んだ熱水が作用して、形成されました。内部構造が均質になっており、透明度が高いのが特徴です。この標本は燃えるような色をしているのでファイヤー・オパールと呼ばれています。一方、オーストラリア産のオパール(右)は堆積岩中に見つかります。地下で、二酸化ケイ素に富んだ温水が堆積岩に作用して形成されました。内部構造が不均一で、透明度は低いのが特徴です。堆積岩中には、貝や木、さらには恐竜の骨がオパール化したものも存在します。 |