オレンジ水晶のオレンジ色は水晶結晶自体の色ではありません。不純物として含まれている酸化鉄(赤鉄鉱や褐鉄鉱)の色です。ブラジルではポルトガル語のLaranja(オレンジの意)に因んで、ララジンニャ水晶と呼ばれています。
上側のオレンジ水晶の色は赤鉄鉱によるもので、赤水晶と同じ仕組みの発色です。オレンジ水晶と赤水晶の色の違いは、水晶に含まれる赤鉄鉱の存在度の差に起因します。左のロシア産のものはオレンジ色と言えると思いますが、右のブラジル産のものは微妙です。
下段の水晶の色は褐鉄鉱によってオレンジ色を呈しています。褐鉄鉱とは鉄サビのことです。嫌われることが多い鉄さびですが、オレンジ水晶の場合、魅力的な色彩の原因となっています。 |