自然オスミウムにはイリジウムが含まれていることが多いため、イリドスミンと呼ばれていました。1991年に白金族元素鉱物(オスミウムもイリジウムも白金族元素です)の呼び名に関するルールが変更になり、最も多く含まれている元素の名前を使うようになりました。そのため、イリドスミンは廃名となり自然オスミウムと呼ばれています。ただ、標本店や一部の書籍ではイリドスミンが使用されている場合があるので、注意してください。
自然オスミウムは山で採れるものと砂状で採れるものがあり、自然白金と共存していることもあります。オスミウムと白金は化学的な性質がよく似た元素ですが、鉱物としての性質はかなり異なっています。自然白金の結晶の形がサイコロのような立方体か正八面体ですが、自然オスミウムの結晶の形は展示品のように六角形板状です。自然白金には劈開(割れる時の法則性)がないのですが、自然オスミウムは一方向に劈開があり、結晶が板状になるのはそのためです。自然オスミウムの硬度(6〜7)は自然白金(4〜4.5)よりも高く、万年質のペン先などに重宝されています。 |