黄鉄鉱(おうてっこう)は鉄とイオウで構成されている硫化鉱物です。ほとんどの金属鉱山で見つかります。叩くと、火花が散るので、昔は火打ち石に利用されていました。英語名
パイライト(pyrite) はギリシャ語 pur (火の意)に因んでいます。メタリックな色彩とシャープな形は芸術家が制作したオブジェのようですが、全て天然物です。加工品ではありません。
上段に掲載した3つの黄鉄鉱は基本的な結晶形です。基本形の結晶は珍しく(特に正8面体)、通常、これらが複合した形で存在しています。中下の標本のような球形の団塊は、他の鉱物などに成長を妨げられない自由な領域で、形成されました。右下の標本は、太陽のような形をしているので、パイライト・サンと呼ばれているもので、針状の結晶が集合して円盤状になっています。堆積岩の層に挟まれた状態で形成されました。その他の興味深い形状として、アンモナイトの形をしたもの(黄鉄鉱アンモナイト)が知られています。 |