輝石

透輝石
透輝石
Shigar Valley, Shigar, Pakistan

 輝石は火成岩や変成岩に広く産出する。カンラン岩エクロジャイトの主要な構成鉱物であり、上部マントルの構成鉱物のひとつと考えられる。また、ほぼ輝石だけからなる隕石(オーブライト)も存在する。輝石は化学組成から、マグネシウム鉄輝石、カルシウム輝石、ナトリウム輝石に大別される。
 マグネシウム鉄輝石は、エンスタタイト(Mg2Si2O6)とフェロシライト(Fe2Si2O6)が規則正しく混ざった固体(固溶体という)である。エンスタタイトがオーブライトを構成する輝石である。
 カルシウム輝石は、透輝石(CaMgSi2O6)とヘデンベルグ輝石(CaFeSi2O6)の固溶体である。写真の輝石が透輝石である。写真をよく見ると、結晶が透けているのが良く分かる。
 ナトリウム輝石は、ヒスイ輝石(NaAlSi2O6)とエジリン(NaFeSi2O6)の固溶体である。ヒスイ輝石とは、うす緑色の宝石であるヒスイのことである。
 さらに、マグネシウム鉄輝石とカルシウム輝石の中間の組成を持つ固溶体が存在し、マグネシウム鉄輝石に組成が近いものをピジョン輝石といい、カルシウム輝石に組成が近いものを普通輝石という。また、カルシウム輝石とナトリウム輝石の中間の組成を持つ固溶体が存在し、ヒスイ輝石に組成が近いものをオンファサイトといい、エジリンに組成が近いものをエジリンオージャイトという。オンファサイトがエクロジャイトを構成している輝石である。

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