水晶の透明度の高さは固体状の水、つまり、氷を連想させます。また、水晶の採れる場所は山岳地帯であり、水源の近くです。水晶は氷の一種であるという考えは、多くの民族が信じていました。『クリスタル』(水晶の英名)という言葉はギリシャ語の
Kryos (クリオス。氷のように冷たいの意)に由来します。ローマ時代の博物学者プリニウスは「水晶の正体は氷である」と述べています。アラスカのエスキモーは水晶は氷の中心部が固くなったものであると考えていました。我が国でも、江戸時代の人々は、水の精、水精と呼んでいました。『水晶』、『水精』、『石英』。これらの言葉は中国で生まれて、日本に伝えられました。水晶の「晶」という文字は3つの「日」から構成されており、光り輝く様子を表した文字です。
ここでは、『水晶』という言葉と『クリスタル』という言葉の歴史を地域別に紹介しましょう。 |