空から落ちてきた石が人に当たったという記録は古く(例えば、中国では14世紀初頭、イタリアでは16世紀初頭)から存在しています。しかし、隕石の存在すら知られていなかったころの話であり、ただの投石だったかもしれません。
人に当たったことが確認されている隕石として、アメリカ・アラバマ州に落下したシラコーガ隕石が有名です。1954年11月30日午後1時頃、昼食後ソファーでくつろいでいたホッジス婦人の太ももに隕石が当たりました。重量は1.7
Kg でした。2階の屋根と1階の天井を突き抜けて落下してきたため、落下の早さが落ち、軽傷で済みました。
我が国でも、1927年4月28日午前9時頃、茨城県稲敷郡阿波(現在は稲敷郡桜村阿波)で少女に当たったという記録があります。幸い、隕石が軽かった(0.19
g)ので、命に別状はなかったそうです。当時、新聞で大きく報道され、世界的に有名になりました。しかしながら、隕石が行方不明になってしまい、真相を確かめることは困難です。
犬にあった隕石も知られています。1911年6月28日午前9時頃、エジプトへ落下したナクラ隕石です。ナクラ隕石は学術的価値がたいへん高い隕石です。火星から飛来した隕石で、最近の研究では、生命活動の痕跡らしきものが存在するという報告もあります。
確かな記録が確認できる範囲の話ですが、長年、隕石の落下による犠牲者は出ていません。 |