アメトリン

研磨加工品

破砕品

結晶面がある破砕品

アメトリン(研磨品)

アメトリン(原石)

アメトリン(結晶面付き)

Anahi mine, Sata Cruz, Bolivia

 アメトリンアメシスト紫水晶)とシトリン黄水晶)が共存しているユニークな水晶です。アメトリンという呼び名はアメシストとシトリンの名前を複合して作られました。中央の標本のように2色が混在するように破砕した原石を研磨すると、2色の水晶を同時に楽しめる人気の高い宝石です。アメトリンは1980年代に入ってから発見されました。いまのところ、ボリビアだけで産出されています。そのためか、市場に出回っているアメトリンは左の標本のように研磨加工品が中心です。原石も流通していますが、境界部分の品質を確かめるために破砕されたものです。右の標本には結晶面の一部が存在しています。原石が100個ほど入った箱から、探し出しました。
 アメシストとシトリンの発色は、水晶の結晶を構成しているケイ素の一部が鉄と入れ代わっていることが原因です。アメシストは放射線の影響で紫色を呈するようになります。アメトリンを構成している結晶構造は2種類の構造(現物と鏡に写る像のような関係にある構造)が組み合わさっています(ブラジル双晶と呼ばれてます)。アメトリンのアメシストの部分とシトリンの部分を化学分析したところ、鉄の混入量には顕著な差がなく、代わりに、水の存在量に違いがあることが判明しました。シトリンの部分には水が多く存在しており、周りからの放射線の影響が水によって抑えらることによって、シトリン部分が紫色にならなかったと、考えられています。

アメトリン (裸石) ● アメトリン (原石等)


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