クリソベリル

化学式:BeAl2O4

クリソベリル
Ambatondrazaka, Toamasina, Madagascar

 クリソベリルはベリリウムとアルミニウムを主成分とする酸化鉱物です。名称はギリシャ語の chrusos(金の意)と berullos (緑柱石の意)に因んでいます。しかし、ベリル(エメラルド、アクアマリン等)(化学式:Be3Al2Si6O18)とは別の種類の鉱物です。注意してください。色彩は、名前の通り、金色を呈しているものの他、別の元素(鉄、チタン、クロム)の混入によって、緑色や褐色のものが存在します。和名は金緑石といいます。
 クリソベリルには2つの有名な宝石(キャッツアイアレキサンドライト)が属しています。クリソベリルという宝石名を知らない方も、この2つの宝石は聞いたことがあると思います。結晶内部に、密集して存在する平行状の液体チューブ・インクルージョン(主成分は水)が含まれていることがあり、そのようなものを適切にカボションカットすれば猫目効果(シャトヤンシー)が生じます。これがキャッツアイです。また、結晶を構成するアルミニウムの一部がクロムに置き換わると、光源の種類によって、色彩が変化するようになる結晶が存在します。太陽の光では緑色ですが、電球の光では赤色を呈します。これがアレキサンドライトです。

クリソベリルの一種
キャッツアイ アレキサンドライト
Ipiau, Bahia, Brazil Masvingo, Zimbabwe

コラム「レア中のレア:アレキサンドライト・キャッツアイ」
 キャッツアイとアレキサンドライトは同じクリソベリルという鉱物です。チューブ・インクルージョンの含有とクロムの置換が同時に起これば、変色性と猫目効果を同時に示すクリソベリルが存在するのではと思う方が多いのではないでしょうか。実際、その様なクリソベリルは存在し、アレキサンドライト・キャッツアイと呼ばれています。天が二物を与えた奇跡の宝石と呼べるでしょう。

アレキサンドライト・キャッツアイ (裸石)
クリソベリル (裸石) ● クリソベリル (原石)


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