デマントイド

化学式:Ca3Fe2Si3O12

デマントイド
Gulbahar, Ghazni, Afghanistan

 デマントイドアンドラダイトの一種です。名称はダイヤモンドに匹敵する光輝を持っていることに因んでいます。デマントイドはロシアのウラル地方で発見され、1878年に命名されました。流通しているガーネットでは、最も高額で取り引きされています。ロシア帝国では王族のみが所有を許されていました。デマントイドの美しい光輝は分散度(コラム参照)が大きいことに起因しています。緑色はクロムの混入が原因です。
 標本店の話によると、この標本はグロッシュラーとして間違って販売されていたそうです。そのため、安く仕入れることができ、店頭価格も比較的安価でした(デマントイドは原石でも高価です)。参考までに、その標本店は、デマントイドであることを元素分析によって確かめてから販売されています。安心して購入することが出来ました。

コラム「デマントイドの美しい光輝の秘密」
 宝石の内部に光が入ってくる時、光の方向は曲げられます。その際、曲げられる角度は光の色(波長)によって異なっており、光は色によって分散します。この原理を利用したのがプリズムです。多くの方が、プリズムに入った太陽光が七色の虹に分かれるのを見たことがあるでしょう。光を分散させる程度の大きさを分散度といい、宝石の美しさを引き出す重要な条件となっています。ダイヤモンドの輝きを観察すると、ダイヤモンド自体の輝きの他に、七色の虹のような輝き(ファイアという)が見えます。ファイアによって、ダイヤモンドの輝きは更に美しさを増しています。デマントイドの分散度はダイヤモンドよりも30%ほど大きく、ファイアの大きさはダイヤモンドよりも大きくなっています。これがデマントイドがダイヤモンドのような美しい光輝を持つ原因です。

デマントイド (ジュエリー) ● デマントイド (裸石)


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