まず、鉱物に糸を付けて空気中につるしながら重さを量ります(重さはAグラムだったとします)。鉱物の体積をVとすれば、鉱物の比重Dは、次の式で表されます。
D=A/V ・・・(1)
次に、鉱物を水の中へ移し、再び、重さを量ります(重さはBグラムだったとします)。物体を水に入れると、物体の体積と同じ体積の水の重さが、浮力として、物体に働きます(アルキメデスの原理)。この原理と水の比重が1であることより、水による浮力(A-B)には、次のような式が成り立ちます。
A-B=V ・・・(2)
式(2)から式(1)のVを消すと、
D=A/(A−B)
となります。この式を使えば、重さを量るだけで、比重を求めることが出来ます。
以上の様な方法で、比重を求める簡易比重測定器が市販されており、鉱物や宝石の鑑定に利用されています。この測定器では、糸でつるすのではなく、網に試料を乗せて測定します。水に沈めることが出来る鉱物の場合、この方法で比重を求めることが出来ます。では、水に沈めることが出来ない場合にはどうすればよいのでしょうか。この場合、鉱物を構成している元素の種類とその構成比、そして、鉱物の結晶構造を基に、計算によって比重は求められています。 |