エレクトラム

化学式:(Au, Ag)

エレクトラム
Ten Mile District, Humboldt Co., Nevada, U.S.A.

 金は銀と共存することが多く、自然金には銀が含まれています。山金には10%以上の銀が含まれています。金と銀は任意の割合で混ざることが可能です。自然界には金と銀の中間的な組成を持つものが存在し、エレクトラムと呼ばれています。厳密な定義はなく、銀を多く含む山金という程度の意味で使われることが多いようです。色彩は金とは少し異なっていて、黄色味が少なくなっています。銀は錆びやすいため、エレクトラムも次第に錆びていきます。
 エレクトラムという言葉を最初に使ったのは、ローマ時代の博物学者プリニウスだと伝わっています。銀を20%程度含んだ金の色彩は琥珀に似ているので、ギリシャ語の Elekrton (琥珀の意)に因んで、エレクトラムと呼び、純度の高い金と区別しました。余談ですが、コハクを摩擦すると静電気が発生します。コハクを意味する Elektron は英語の electro- (「電気の」を意味する接頭語)の起源であると考えられています。

エレクトラム(原石標本)


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