ピンクサファイア

化学式:Al2O3

ピンクサファイア
Sivec mine, Prilep City, Macedonia

 ピンクサファイアはピンク色のコランダムです。宝石界では、赤色以外のコランダムをサファイアと定めています。よって、ピンクサファイアと呼ばれています。宝石名サファイアはギリシャ語のサフィルス(青いの意)に由来します。ピンクサファイアは「ピンク色の青」という意味であり、少し奇妙です。しかし、違和感がないのはサファイアという宝石名が広く使われているためでしょう。
 ピンクサファイアの発色原理はルビーと同じです。コランダムは本来は無色の鉱物ですが、結晶を構成しているアルミニウム原子の一部がクロム原子と入れ替わっていることによって、赤みを帯びてきます。一般的なルビーの場合、アルミニウム原子が数百個に一個の割合で、クロム原子と入れ替わっています。これに対し、ピンクサファイアは約千個に一個の割合で入れ替わっています。

コラム「多彩なサファイア」
 ピンクサファイア以外にも、様々な色彩を呈したサファイアが存在します。多彩なサファイアの発色原理と名称をまとめておきました。19世紀末まで、青色のもののみをサファイアと呼んでいたため、イエローサファイアはオリエンタルトパーズ(オリエンタルとは東洋の意)、グリーンサファイアはオリエンタルペリドットと呼ばれていました。ディアモンダイトとは合成されたカラーレスサファイアの別名です。天然のカラーレスサファイアのうち、曇りがあるものや乳白色のものはギューダと呼ばれています。ギューダは加熱処理すると美しい青色となるため、サファイアの原石として重宝されています。

色彩 宝石名 発色原理
サファイア 鉄とチタンの混入
ピンク ピンクサファイア クロムの混入
オレンジ パパラッチャ クロムとニッケルの混入
黄色 イエローサファイア
(オリエンタルトパーズ)
ニッケルの混入
グリーンサファイア
(オリエンタルペリドット)
コバルトの混入、あるいは、
サファイアとイエローサファイアの混在

無色

カラーレスサファイア
(ディアモンダイト)

別元素の混入なし

ピンクサファイア (裸石)


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