ケープ・ヨーク隕石はウィドマンシュテッテン構造と呼ばれる網目模様が美しいオクタヘドライトという種類の鉄質隕石です。この隕石の存在を世に知らしめたのは、人類初の北極点到達を1909年に成し遂げたアメリカの探検家ピアリーです。1894年にグリーンランドのケープ岬を訪れた時、ピアリーは現地のエスキモーに隕石の存在する場所へ案内され、3個の巨大なケープ・ヨーク隕石(30.9トン、3トン、0.4トン)の存在を知りました。昔より現地のエスキモーはケープ・ヨーク隕石からナイフなどを作っていたそうです。それから3年後、現地調査を終えたピアリーは3個のケープ・ヨーク隕石をニューヨークへ運びました。これらの隕石にはそれぞれ、テント、婦人、犬の名前が付けられて、今もニューヨークにあるアメリカ自然史博物館で展示されています。ピアリー以後も、デンマークの隕石学者ブーフバルトなどによって、数個のケープ・ヨーク隕石が発見されており、ケープ・ヨーク隕石の総重量は58トンにもなります。 |