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パイロープ
化学式:
Mg
3
Al
2
Si
3
O
12
Frank Smith Mine, South Africa
Val Maira, Cuneo, Italy
Podedice, Trebenice,
Severocesky Kraj, Czeco
Linhorka, Bohemia, Czeco
パイロープ
はマグネシウムとアルミニウムを主成分とするガーネットです。純粋なものは無色ですが、赤色〜赤褐色のものが多く存在します。赤色の発色はマグネシウムの一部が鉄と入れ代わっていることが原因です。右上の標本は、鉄がほとんど含まれていない透明な結晶で、珍しい標本です。パイロープとは、ギリシャ語で「炎のような」を意味しています。
パイロープは、
エクロジャイト
(マントルへ沈み込んだ海洋地殻が高圧変成して形成された岩石)や、
キンバーライト
(ダイヤモンドをマントルから地表へ運んできた岩石)などマントル起源の岩石に含まれています。パイロープを不純物として含んでいるダイヤモンドも見つかっています。よって、パイロープはマントルを構成する主要な鉱物のひとつであると考えられています。左の標本はキンバーライトに含まれていたメガクリスト(大型の結晶)です。
下の列にチェコ産のパイロープを展示しています。かつて、チェコのボヘミア地方は有名な産地でした。現在では採掘は行われておらず、アフリカ産のものを輸入して代用して、お土産品などに利用しています。甲府でブラジル産の水晶を売っているような感じでしょうか。チェコ産と分かるものは珍しく、特に右下の母岩(
カンラン岩
)付きのものは貴重な標本です。チェコと言えばガラス細工は世界的に有名ですが、高度なガラス加工技術はパイロープのイミテーションを作製するために発展しました。
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パイロープ
(裸石)
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