蛍光ダイヤモンドは、紫外線を照射すると、暗闇でも光るダイヤモンドです。右上の写真は、太陽光の元で撮影しました。同じダイヤモンド(撮影方向が異なるために別のダイヤに見えますが、同じものです)を、紫外線で照らしながら暗闇で撮影したのが、右上の写真です。ぼんやりと、光っていることが分かります。紫外線などを照射されている時に光る性質を蛍光といいます。撮影には、ブラックライトから生じた紫外線を使用しました。この蛍光ダイヤモンドは、ダイヤモンド商から購入しました。産地は不明でしたが、興味深い標本なので入手しました。
次に、蛍光が発生する原理を簡単に紹介しましょう。紫外線は可視光(目で見える光)よりも、エネルギーが高い光線(それ故、紫外線で日焼けをする)です。紫外線が照射されると、ダイヤモンドを構成している炭素原子の電子が紫外線のエネルギーを吸収し、その電子はエネルギーが高い状態になります。この電子のエネルギー状態は安定ではなく、元の状態(紫外線を吸収する前の状態)へ戻っていきます。そのとき、余分なエネルギーが可視光として放出されて、光るわけです。
この蛍光ダイヤモンドのように紫外線で光るものは希ですが、紫外線よりもエネルギーが強いX線を照射すれば、全てのダイヤモンドが光ります。ダイヤモンド鉱山によっては、この性質を利用してダイヤモンドを選び出し作業を行っています(コラム参照)。 |