トパーズ概論

トパーズ概論 ブルートパーズ インペリアルトパーズ シトリントパーズ

化学式:Al2SiO4(F,OH)2

トパーズ トパーズ(一部青色)
Ropp Tin Mines, Bukuru Plateau, Nigeria Tres, Barras, Minas Gerais, Brazil

トパーズ(シナモン) トパーズ(針鉄鉱入り)
Juab Co., Utah, U.S.A. Villa Garcia, Mexico

 トパーズは古くから知られている透明な宝石です。11月の誕生石のひとつに選定されています。名称の由来は紅海のトパゾンと呼ばれていた島の名前です(参照:ペリドット)。
 トパーズの色彩は変化に富んでおり、白色、黄色、青色、ピンク色、紫色、時には、赤色の結晶も存在します。しかし、本来の色は無色透明です。右上の標本も無色の結晶ですが、一部分が青色を呈しています。左下の標本のシナモン色は天然の色であって、人工的な処理による発色でありません。トパーズの発色の原因は結晶構造の歪みにあると考えられています(コラム参照)。右下の標本の茶色は、結晶自体の色ではありません。結晶内部に、針鉄鉱を不純物として含んでいることが着色の原因となっています。この結晶の右上の部分に付着している透明な粒々は玉滴石です。

コラム「トパーズの色彩の変化」
 トパーズの色彩は、光や熱の影響で容易に変化することが知られています。私は、普段、光を通さない箱の中に入れて保存しています。そうしないと、色が失われてしまいます。実際、博物館で展示されている原石標本は、どんどん、色が薄くなっているそうです。また、褐色のトパーズを500℃までゆっくり加熱すると透明になり、ゆっくりと温度を下げると、ピンク色ないし赤紫色へ変化します。この様に、トパーズの色彩が容易に変化するのは、光や熱によって、結晶の歪みが変化するためだと考えられています。逆に言うと、結晶に歪みを生じさせてやれば、色が変わると予想できます。実際、無色のトパーズにx線を照射すると、シナモン色へと変化します。宝石として利用されているブルートパーズのほとんどが、無色の結晶へ放射線を照射して、人工的に発色させたものです(参照:ブルートパーズ)。

パワーストーン
 トパーズは、東洋では美と健康を象徴し、古代エジプト文明では太陽神ラーを象徴していた。不安を鎮め、病を癒してくれる。名誉、幸福、平和をもたらしてくれる。

トパーズ ●トパーズ
トパーズ (裸石) ●トパーズ(原石標本) ● トパーズ (原石等)


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