トルマリンは電気的な性質が強い鉱物です。そのため、日本名は電気石(でんきせき)と名付けられました。トルマリンは単独の鉱物名ではなく、ホウ素を主要構成元素とする珪酸塩鉱物のグループ名です。13種類の鉱物(詳細は電気石を参照)が属しています。名称は、スリランカの公用語であるシンハリ語の
Turmali (多くのものを持つ意)に由来します。スリランカでは、黄色いジルコンとトルマリンを一緒にした呼び名(両者は同じ鉱物であると考えられていた)でした。
トルマリンは最も色彩の変化に富む宝石です。無色、赤色、黄色、緑色、青色、紫色、褐色、そして、黒色と、様々な色のものが知られており、1つの結晶で複数の色彩を明確に呈しているものまで存在します。色の違いから、様々な呼び名が存在します(コラム参照)。トルマリンが多彩な色を呈している原因は、大変複雑な化学組成です。主要な成分で表せば上式のようになりますが、成分が微妙に入れ替わったものが多数存在します。なお、宝石としてよく利用されているのはリチア電気石(ルベライト、インディコライト、パライバトルマリンもリチア電気石の一種)です。また、ピンク色のトルマリン(ピンクトルマリン)は10月の誕生石のひとつに選定されています。 |